Project


藻類バイオマスエネルギーの実用化


世界経済はエネルギー供給の殆どを石油等の化石資源に依存してなりたっています。
化石資源の継続的使用は、地球温暖化や環境汚染など深刻な問題の要因となり、さらに急激でかつグローバルな産業の拡大が化石資源の枯渇という人類社会発展の土台をゆるがす危機をもたらしています。
さらに、2011年に起こった福島第一原発事故により、エネルギー政策の見直しが不可避となり、再生可能エネルギーの拡大は喫緊の課題となっています。

そうした中、藻類バイオマスは、穀物からのバイオ燃料とは異なり、食料高騰の問題を引き起こす心配がなく、さらにはとうもろこしの700倍のオイル生産効率があり、従来のバイオマスに比べ生産能力が高い次世代エネルギーとして世界が注目しています。

当研究室では、炭化水素オイルを産出する藻類の研究開発を進めており、世界最高のオイル生産能力を有する藻類を発見しました。
しかし、藻類バイオマスを実用化するためには、屋外での大量培養生産に向けた技術の確立が急務の課題です。
平成27年度までに技術的課題の解決を図り、エネルギー問題の解決に貢献するとともに、藻類産業の創出を目指しています。

各種作物・微細藻類のオイル生産能の比較(Chisti2007を改変)
 作物・藻類 オイル生産量
L/ha/年 
世界の石油需要
を満たすのに
必要な面積
(100万ha) 
 地球上の耕作
面積に対する
割合(%)
とうもろこし 172  28,343  1430.0 
綿花  325  15,002  756.9 
大豆  446  10,932  551.6 
カノーラ  1,190  4,097  206.7 
ヤトロファ  1,892  2,577  130.0 
ココナッツ 2,689  1,813  91.4 
パーム  5,950  819  41.3 
微細藻類(1)  136,900  36  1.8 
微細藻類(2)  58,700  83  4.2 

注意:微細藻類(1)はバイオマス(乾燥重量)の70%がオイルの種培養株
    微細藻類(2)はバイオマス(乾燥重量)の30%がオイルの種あるいは培養株

大量生産技術の確立


国内初! 開放系大規模生産実証の実施

平成24年度より耕作放棄地2haを活用した屋外大量培養の研究開発に着手します。

つくば市内の耕作放棄地において、実規模レベルでの開放系運輸燃料生産システムを建設、ボトリオコッカスとオーランチオキトリウム2種類の藻類を複合した実証実験を実施します。

屋外生産フィールドのイメージ


東日本大震災の復興支援

被災自治体の耕作放棄地を活用し、藻類バイオマスの実規模レベルでのデモプラント実証を実施します。
被災耕作地の活用のほか、将来的には新たな雇用創出等により震災復興に協力していきたいと考えています。

リンク

つくば国際総合特区(つくばグローバル・イノベーション推進機構)

下水処理プロセスと藻類生産の融合


ハイブリットシステムで炭化水素生産

オーランチオキトリウムの発見により、下水処理プロセスと藻類バイオマス生産の統合化という研究へ発展しました。

オーランチオキトリウムは有機物を取り込むことによって増殖するという特性を持っており、また当研究室が開発したボトリオコッカスは、低濃度の有機廃水で増殖が促進されます。
これらの特性を活かし、下水処理の一次処理水にオーランチオキトリウムを投入、二次処理水をボトリオコッカスの培養に活用させ、下水処理プロセスへ統合させる研究開発を行っています。

統合化により、

-廃棄物を使用することによるオイル生産コストの抑制
-二次処理水(窒素とリンの残渣)をボトリオコッカスの培養に活かすことによる水域の富栄養化の防止
-オイル採集後の藻類残渣物の動物飼料やメタン発酵への利用
の実現可能性が広がります。



協力協定の締結

平成23年、仙台市、東北大学、筑波大学間において、生活排水を吸収して石油成分を効率的に生産するシステム構築の共同研究の協力協定を締結しました。
本学では、オーランチオキトリウムを利用した培養技術の開発を担当します。

リンク

東北復興次世代エネルギー研究開発プロジェクト(東北復興次世代エネルギ-研究開発機構)


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