概要
現在、私たちの社会では、有限で、燃やすと二酸化炭素の発生源となる化石燃料に依存しています。藻類バイオマスは、オイル生産性が高く食糧生産とほとんど競合せず、カーボンニュートラルであることから、次世代エネルギー資源となることが期待されています。また、近年では、化石エネルギーの代替資源に加えて、農業、環境産業、化学製品産業、医療・健康産業への応用へも可能性が広がっています。しかし、その取り組みは、まだ緒に就いたばかりです。今後、そのポテンシャルを実用化し、新産業創出に発展させるためには、従来の生物学を中心とした研究から学際研究へシフトする必要があります。国内外の様々な分野の専門家を戦略的に取り込みながら、企業との協力を拡大させるとともに、世界トップレベルの研究者を集結させ、国際的な藻類バイオマス・エネルギーシステムの研究と人材育成を推進する拠点の形成が必須です。
このような視点から、藻類バイオマス・エネルギーシステム開発研究センターは、国立大学法人筑波大学に平成27年7月1日付けで設立されました。本センターは、約50名の多分野の教員からなる国内最大規模の藻類バイオマスのセンターです。基礎研究から実証研究及び産業応用までを一貫して推進する体制構築を目指し、バイオリソース分野、代謝・遺伝子工学分野、生産システ工学分野、グリーンケミストリー分野、エネルギシステム分野、健康医学分野の6つの研究分野が設置されています。また、本センターは、筑波大学が新組織として設置した、主たる資金を外部資金等で運営する「開発研究センター」の第一号です。
今後、学内の藻類バイオマス大量生産施設等を活用した藻類バイオマス利用技術を発展させ、産業応用として、再生可能エネルギーのシステム開発や排水処理技術、農業用飼料、化粧品、医薬品などへの実用化や新産業創出を進めます。また,海外から優秀な研究者を招くとともに意欲のある学生らに学位を授与するなど人材育成機能も強化していく予定です。
組織体制
研究 |
|
---|---|
教育 |
|
プロジェクト |
|
共同研究 |
|
産業応用 |
|
連携
機関連携
- 東北大学
- 産業技術総合研究所(産総研)
- 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
- HTK連携(広島大学、神戸大学、筑波大学)
国際連携
- マードック大学(豪)
- カリフォルニア大学サンディエゴ校(米)
- アリゾナ州立大学(米)
- ナント大学(仏)
- タイ科学技術研究所(タイ)
- ヴィン大学(ベトナム)
- アジアオセアニア藻類イノベーションサミット
- 国際藻類バイオマスシンポジウム
地域連携
- 茨城県、つくば市
- 宮城県、仙台市
- 福島県、南相馬市
産学連携
- 藻類産業創成コンソーシアム
- 藻バイオテクノロジーズ
- デンソー
- ヒガシマル
- 関彰商事